目次:
1、「あれから10年経ちました」
2、感謝の一方で、、
3、「自己否定」と「向上心」の関係
4、手紙がくれたわたしへの真のメッセージとは
*************************
1、「あれから10年経ちました」
先日、帰ると懐かしい方から手紙が届いていました。
「わぁ、久しぶり!」と思いながら開封してみると、
そこには深紅のカードに輝くゴールドの文字!
「Thank You」
開けてみると、そこにはなんともうれしいメッセージ♡
「なおこさんと私たち夫婦が話をしてから、10年の月日が経ちました。
あの日があったからこそ、「今」があることに感謝し、お礼を伝えたくて」
10年前といえば、うつになり休職を経て、長年勤めた会社を退職したばかり。
心理学を学び始め、自己肯定感もめちゃめちゃ低くて、
まだまだカウンセラーなんて大きな声では言えないわたし。
それでも聴いてほしいと、ご相談をいただき、カップルカウンセリングへ。
「結婚したいと思っているけど、彼女の親が大反対!別れようかどうしようか悩んでいる」
おふたりとホテルのカフェで会ってお話を聴くことに。
いざやってきたおふたりは、落ち込んでいるのかと思いきや、対立していてかなりの険悪ムード。。
「もう、いいよ!別れよう」
と彼女は彼に対して怒っていて
彼は、そんな彼女の態度に納得いかず、不満いっぱいのご様子。
関係がこじれる原因は、たくさんあるけど、結局は、「気持ちが伝わっていないこと」
気持ちとは、意志・思考・感情のことをいい、
プライベートの関係では、特に感情をわかちあうことがとても大切になこと。
それなのに、それを伝えるコミュニケーションの実力が低かったり、
そもそも自分の気持ちがわかっていなかったり、、
それでもわかってほしいという気持ちから、
結果、「なんで!?」「普通~」「当たり前でしょ!」と、相手を責めるいい方しかできず、
わかってもらえない、とますますこじれていく、、
もう別れよう、というギリギリのところでわたしにご相談くださったのでした。
人は、自分の本当の気持ちがなかなかわからないもの。
そこで、こんがらがったコミュニケーションを少しづつほどき、
お一人おひとり、本当に伝えたいことや、わかってほしいことを掘り出し、
それを聞いてどう感じるか、どうしてほしいか、
全力で関わったのを思い出します。
お互いを理解し、受け入れるには、対立ではなく対話が必要。
聴いて、自己理解、自己受容、他者理解、他者受容のステップをふんでいただきました。
結果、どうなったか、、
見事、この困難苦難を乗り越え、無事にご結婚!
本当にすばらしいです!
招待されたわたしたちの席次表には、なんと「恩人」という文字!
とっても恐縮、うれしはずかしの懐かしい思い出がよみがえり、
こちらの方が、あたかかい感謝の気持ちでいっぱいになりました。
2、感謝の一方で、、
思えば、あのころ、ドキドキしながらも、
自分にできることをやるしかない、お役に立ちたい
という気持ちのみで関わったように思います。
もちろん今でも、それは変わりません。
10年経って、こんなお手紙をいただけるなんて思ってもいなくて、
もう本当にありがたくて、ありがたくて、カウンセラー冥利につきます。
けれど一方で
手紙を読んだ喜びの気持ちの裏側で
「え?たいしたことしてないけど」
わたし、そんな特別なことしてない、って思う自分が、こころの奥底でつぶやいたのもまた事実。。
なんて失礼で、傲慢ななおちゃん登場。。
だけど、これはときどき顔を出す、わたしのパターン。
もう何百回何千回とやってきて、いいかげんやだなぁ、ってうんざりした。
なんでこう思っちゃうんだろう、と手放しのために、ひとり探求、探求、、
3、「自己否定」と「向上心」
「わたしはたいした人間ではない」
この何度も取り組んできたコアビリーフの根本は、
父にほめられたことがない上に、
「なおこはダメだなぁ」と言われ続けて育ったことにあるのは間違いなし。
さらには、最近知ったインナーチャイルドの影響大、
準備が出来てないのにやらされる、舞台に立たされる、小さななおちゃんの恐怖。
そうしていつしか出来上がった、無意識の新たな思い込み。
ダメだから、頑張ろう。
ダメだから、努力しよう。
ダメだから、準備しよう。
ダメだから、完璧にやろう。
自己否定=自分の向上心を保つための要因。
わたしにとって自己否定とは、自分を向上させるための刺激。
自己否定=「よいこと」
今の自分を認めたら、伸びしろなしだもんね。
今の自分に満足しないからこそ、これを基盤にがんばることができる、
向上心を高めることができる。
なんとまあ、よさそう!
・・・一見ね。
4、手紙がくれた真のメッセージとは
しかーし!
あくまでもダメな自分、出来ていない自分、欠けている自分を埋めることになるので、
そこから何かが生まれることは決してない。
一通りすんだら、次にまた欠けてるとこ探しで、同じことのくりかえし。
わかっていても、うっかりまたワナにはまったわたし。苦笑。
自己否定はよいこと。
「それは、本当ですか?」
自分を認めちゃうと、成長できなくなる。
「それは、本当ですか?」
そもそも、
人はみななにかが欠けている。何かが足りないし、できない。
それでも、人はすばらしい。
人は、欠けていてこそ、完全。
不完全こそ完全。
向上心とは、
欠けた自分をまるごと承認、受容、肯定してこそ、意味があり価値がある。
自己否定から生まれる向上心は、何も生まない。
自己肯定ありきの向上心こそ、人生も、仕事も、自分も、他人も満たしていくことになる。
結果、しあわせー!
10年前のわたし。
それはもう、知識も経験も、技術も在り方も、ととのっていなかっただろうと思う。
今と比べたら。
それでも、
10年前のわたしで、十分に、人の役に立てている。
10年前のわたしで、十分に、幸せに貢献できている。
10年前のわたしで、十分に、満足してくれている人がいる。
そして、
10年後の「今」のわたしも、わたしで十分なのだ。
みんなすごい
わたしはまだまだ
がんばらなくちゃ、努力しなくちゃ
準備ができたら、やろう
準備なんか、一生整わない。
今の自分を肯定し、
今の自分にできることに集中するのが大切だったと、思い出した。
手紙の真のメッセージとは
「わたしは今のわたしで十分です」
「わたしは今のわたしで十分価値がある」
そして同じように、あなたもまた、
「あなたは今のあなたで十分です」
「あなたは今のあなたで価値がある」
あなたはただあなたであるだけで愛される価値があるのです。
自己否定は、こころの中で起きる小さな戦争。
戦争から幸せが生まれることは決してない。
極上の幸せのスタートとは、まずは自分を承認し、満たすことから。